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2015年12月17日

くるみ割り人形〜ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2015-2016


くるみ割り人形は、バレエの中でいちばん好きな演目だ。
去年は、渋谷で上映した時に観ることが出来なくて、
とっても悲しかった。

しかし今年は地元の映画館で観れる。
それが分かった時から、
この日を待って待って待ち望んでいたのである!


オーケストラの演奏は、あっさりと始まってしまった。
こんなに緊張感なくていいのだろうか?という感じ。


アンナ・ニクーリナ(マリー役)は、少女のような
あどけなさがあって、この役にぴったりだった。
ふんわり踊っているのに、激しく踊るときはとても力強くて、
私はなぜか「この人、マラソン強いんだろうな」と思った。

回転→腕を上げる→回転→腕を上げるの繰り返しでは、
機械仕掛けみたいに完璧に同じ角度・位置で腕を上げていた。
今のところいちばん凄いのは、人間が機械みたいな
精巧な動きができることだと思うので、これが最高レベル
なんだろうな。


デニス・ロヂキン(くるみ割り人形/王子役)は、公演や
ライブビューイングで何度も見ているのに、今日初めて
顔をちゃんと見た気がする。
バレエダンサーの中でも、いかにも白人の男という感じ。
役作りとはいえ、この演目の髪型のまま街に出るとダサそうだ(笑)
インタビューの印象から、とても芯が強くて頑固な
職人肌なのではないか?
表だけでなく、裏方でも活躍しそうな人だ。


アンドレイ・メルクーリエフ(ドロッセルマイヤー役)は
場面転換の間に踊っていたけど、とても印象的だった。
踊りも上手いけど、演技がとっても上手い。
その次の世界へ導いてくれる。


ヴィターリー・ビクティミロフ(ねずみの王様役)は、
ごっつい体格で迫力があり、表情をあえて見えなくして
いる衣裳なので、気味の悪さ倍増で良かった。


オモチャの人形?が踊る場面が長くて、しかもずーっと
つま先立ちの振り付けだったので、観ているだけでも
痛くなってきてしまった。
ダンサー殺しの振り付けだ。なんて恐ろし〜。


いろんな国の踊りは、どの国のも曲も素晴らしすぎた。
バレエというよりも、オリンピック競技のようだった。
きっちりしっかり王道に踊ってて、うちの町の市民ホールに
来たキエフのバレエダンサーみたいにふざけていない(笑)
まあ、あれはあれでとても面白かったので良いけど(笑)


コール・ド・バレエは、手に持つポンポンがかわいい。
しかし、寒ーいロシアで何もほぼ裸で踊らなくても・・・と
ここで突然そう思ってしまった。
そりゃあ暖房効いてるだろうけどさ・・・ロシアは寒すぎる。



1幕目もいいけど、曲の素晴らしさはやっぱり2幕目から!
観客はダンサーたちの妙技に注目しているけれど、
それを盛り上げているのは手前にいる演奏職人たちなのだ。

終わりに近づくと、演奏の演出がますます高まり、
曲の素晴らしさを余すところなく発揮してくれるので、
泣けて泣けて仕方がない。

アンチ日本版クリスマスな私でも、こうして本物を観ると
「クリスマスっていいなぁ!毎年この演目で締めくくりたい」
と思ってしまうのであ〜る。



・マリー:アンナ・ニクーリナ
・くるみ割り人形/王子:デニス・ロヂキン
・ドロッセルマイヤー:アンドレイ・メルクーリエフ
・ねずみの王様:ヴィターリー・ビクティミロフ

音楽:ピョートル・チャイコフスキー
振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
台本:ユーリー・グリゴローヴィチ
原作:E.T.A ホフマン、マリウス・プティパ

2014年12月 収録

3000円

posted by よしこ at 19:14 | Comment(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月11日

ジゼル〜ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2015-2016


ジゼルは、たしかNHKでルグリの公演を観たことがあるだけで、
他は知らない。

でも、幕間のミルタ役のエカテリーナ・シプーリナへのインタビューを
聞いたら、それが作品全体の解説みたいに分かりやすかった。

「いったい誰のために?とダンサーが思うほど難しい、第2幕の振り付け。
しかも序盤から大変・・・。」
どんなに大変かが分かる、説得力ある言葉だった。



第1幕は、田舎の村が舞台で、悪くはないけど30分くらい寝てしまった。
実は婚約者がいて〜とバレるまで1時間くらい踊り続けているのは、
冷静に考えるとおかしいし長い。

第2幕は、「インタビューで難しいって言ってたのはこれかな」と思いながら
観たけど、確かに大変そうだった。
男の人がよくやるジャンプの連続を、長めのスカートをはいて女の人が
やるのだから、どれだけ身体能力あるんだよって思った。

青白い照明が舞台上を死の世界に変えていて良かったんだけど、
照明がないころはどういう風に演出していたのかな?

今では古典の中の古典になってるけど、初演当時はとても
斬新で新進現代アートっぽかったんじゃないかね。

あと、物語も振り付けも良いんだけど、音楽が物足りなくて
もったいない気がした。(演奏良し悪しじゃなくて、曲のインパクトが)



主役のザハーロワは、とにかく細かった。
「私が主役よ」風味が今回も残っていたけど、裏切られたと分かってから
死ぬまでのボロボロ感を、やせ細っている分、迫力満点に怖かったので、
白鳥の湖よりこっちのほうが似合うかもしれない。

第2幕は、たぶんすごく上手い人たちが難しい振り付けを頑張って
踊っていたんだろうけど、そんなレベルが高い舞台でも
「ザハーロワの踊り、上手いなあ〜」と思わせる技術力があった。

実力がないとできない、バレエ団内の政治力だけでは務めることができない。
それが「ジゼル」の主役。


裏切った金持ちイケメン役のポルーニンは、あまり印象に残っていない。
バレエダンサーのお尻ってかっこいいな〜と思ったくらい。


片思いのハンス役は、そんなに出番がないんだけど、サヴィンは
それほどイケメンに見えないのに心に残るダンサーだ。
良く分からないけど、3枚目役で大活躍しそう。




・ジゼル:スヴェトラーナ・ザハーロワ

・アルブレヒト:セルゲイ・ポルーニン

・ミルタ:エカテリーナ・シプーリナ

・ハンス:デニス・サヴィン

・パ・ドゥ・ドゥ:ダリア・ホフロワ、イーゴリ・ツヴィルコ


音楽:アドルフ・アダン
振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
台本:テオフィル・ゴーチエ、ジャン・アンリ・サン=ジョルジュ
音楽監督:パーヴェル・クリニチェフ ボリショイ劇場管弦楽団


2015年10月11日 収録




今シーズンから、私が住む町の映画館でもボリジョイ〜が上映されることに
なって、とても嬉しい。

他のコンサートのため東京に行ったときに、都合があえば観れる程度の
チャンスしかなかったのだから、大違いだ。
bunkamuraの映画館のお客って、ガラがよろしくなかったし。

満員にならないか心配だったけど、半分も埋まっていなかった。
でも、貸し切りになってしまう閑散上映回もあるから、3000円で半分弱
席が埋るのはまあまあ好成績だと思う。

毎月の楽しみが増えた。



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2015年04月25日

白鳥の湖〜ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2014-2015

20150425

白鳥の湖は、舞台セットの第一印象がとても大事だけど、
今回はまあまあ豪華で本場っぽさも感じられて良かった。

イゴール・ツビルコ(道化師)は、道化師にはかっこ良すぎ。
ルグリの「こうもり」道化師もそうだったなあ・・・。
スピンでも軸がぶれないので、「道化師でこれなら他も・・・」
と思ったら、予想通りみんなレベルが高かった。

スヴェトラ−ナ・ザハーロワは、いかにも主役級なんだけど、
白と黒の性格を踊り分けしていなかった。
自分自身を消して役になりきることが好きじゃないみたい。
「主役は私、私なのよ」って感じ。

デニス・ロヂキン(王子)は、羽毛のようにふわふわと
ジャンプしていた。見たことがない軽さだ。
そのふわふわは、育ちはいいが頼りない王子そのものだった。

王子と対照的だったのが、アルミティ・ベリャコフ(悪魔)。
ごつい、パワー、カリスマ、怖さ、セクシー、頭のキレ。
油断したら何されるか分からない。
こういう敵が魅力的だと、物語は面白くなる。

悪魔は王子の悪を表すそうだ。
光と影のように、2人がかなりはっきり演じ分けられて
いたのが良かった。


今回のグリゴローヴィッチ版は、チャイコフスキーの意図に
沿って、悲劇的な結末にしてあるそう。
悪魔役アルミティ・ベリャコフはインタビューで「哲学的」と。

しかし、ソ連時代には「ハッピーエンドのみ」と決められて
いたので、2001年まで上演できなかったらしい。
共産国らしいエピソードだな。

私はどちらかと言うと、悲しい結末の方が好きだよ。


フランスのPathe製作のため、たまにブレていたり構図が
いまいちだったりする。
安定感があるアングロサクソンのMETと差があるなあ。

あと、カテリーナ・ノヴィコワのベラベラ解説を何とかしてくれい。



音楽:ピョートル・チャイコフスキー
台本:ユーリー・グリゴローヴィチ
振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
原振付:マリウス・プティパ
音楽監督:パーヴェル・ソローキン
ボリジョイ劇場管弦楽団


オデット/オディール:スヴェトラ−ナ・ザハーロワ
王子:デニス・ロヂキン
悪魔:アルミティ・ベリャコフ
道化師:イゴール・ツビルコ
ボリジョイ・バレエ団

収録日:2015年1月25日

bunkamura ル・シネマ 3000円
http://www.bunkamura.co.jp/cinema/lineup/14_bolshoi/swanlake.html





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2015年01月08日

ミハイロフスキー劇場バレエ「海賊」

20150108(木)


「マツコの知らない世界」のバレエの回で、
おすすめバレエダンサーNO.1として紹介されていた、ファルフ・ルジマトフ。

ルグリ(NO.2)よりも上なのか・・・きっと、すごいんだろうな、と思ってからは、
バレエ公演情報に目を光らせていた。

するとラッキーなことに、ルジマトフがダンサーとして来日するとの知らせ。

チケット発売日にスタンバイして、すぐに購入したら・・・。


4列目の真ん中だった。
う、うれしい〜。


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 東京文化会館(上野)は、
 前を通過してばかりだったので、
 今日は初体験なのです。
 わくわく。









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 スポンサー企業のゆるキャラ。
 ちゃんとポーズしてくれた。
 ありがとー!













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 去年、ずっと改装中だったので、
 新しいんだと思う。
 でも前のを知らないから、
 比べようがなくて残念なり。

 右側の彫刻モニュメントとか、
 全体的な赤とか、
 海外の劇場には負けるけど、
 なかなかそれっぽくて
 うれしくなる。



IMG_8926.jpg
 そして、ここが4列目からの
 眺めですヨ!















IMG_8925.jpg
 でも、オーケストラ・ピットがあるので、
 実際は数メートルほど遠くなる。











  
いつも予習もしない私だけど、今回はルジマトフが踊る「海賊」のDVDを購入し、
ちゃんと1回観ておいた。
ルグリの「こうもり」でもそうだったけど、たった1回でも観ておくと、
理解度がまったく違ってくるので〜。


冒頭の大船が、場面転換でガラガラと天井まで吊り上げられ、
娘たち、海賊、奴隷商人などいろんな人物が登場。


奴隷市場で娘たちが民俗舞踊を踊る場面。
オリエンタルな感じが出てて、とても素晴らしい。
やっぱり振付が良い。


洞窟での海賊の宴。
海賊という荒くれ者たちの威勢のよさは、他の演目に比べると異質だ。
男らしさがあふれていた。


いちばんの見どころは、3人で踊る場面。
・娘メドーラ(エカテリーナ・ボルチェンコ)
・海賊の首領コンラッド(ファルフ・ルジマトフ)
・海賊仲間アリ(レオニード・サラファーノフ)


ルジマトフは、この演目でいちばん目立つアリ役を長年務めてきたそうだ。
DVDでは、ルジマトフが娘メドーラと回転合戦していて、
素人の私でさえ「いったいいつまで高速回転し続けるんだろう!?」と釘付けに。


なので、今日のアリ役にも期待したんだけど、そんなに回転しなかった。
華やかに踊るしジャンプも見事だけど、やはりルジマトフが凄すぎるんだな・・・。
それか、そこまで極端な回転は必要ないという演出なのかも。


娘メドーラもかなり回転していたけど、DVDよりはずっと少ない。
いかにもバレリーナという感じで、細い手足とふわふわした目立つ人だった。


注目のルジマトフは、海賊の首領コンラッドなので、そんなに派手なシーンは無い。
けれども、オーラがあるので、どこにいるのかがすぐに分かってしまう。
マイケル・ジャクソンと同じで、大人数でも紛れないのだ。

ただ腕を振るだけの振付でも、ずっと気を抜かないので見ごたえがある。
3人で踊る場面では、それほど長く回転はしなかったけど、
他の2人に比べると、まっすぐ芯がブレずに回っていて、まるで別物だった。


花の踊りの場面は優雅で、こちらまで痛くなりそうなくらい長いつま先立ちをしていた。


トルコ総督パシャ(アレクセイ・マラーホフ)とその御付の者たちは、劇中はもちろん、
カーテンコールまで、ずっとパシャになりきっていた。
三枚目の役なので、彼らがチョコチョコと動き回ると、笑いをとめられない。
隅々まで楽しませるサービス精神が嬉しいな。


とても素晴らしい最高のステージだった。
「海賊」は、バレエの演目の中でも、物語がうまく出来てて気に入ったし、
関係者全員で作り上げたのが伝わってきた。
特にダンサーについては、気合が入っているのがよく分かった。
それはルジマトフが他の誰よりも一生懸命に演じているから、
一緒にいるとそうなってしまうのだと思った。

3人の踊りの場面になる直前は、海賊たちが大勢で踊るんだけど、
その最後にルジマトフは「ハーッ!」と大きな声で締めた。
あれこそ彼を象徴するものだ。


会場内でもらった「ぶらあぼ」に、マラーホフのインタビューが載っていた。
(以下「ぶらあぼ」より拝借)http://ebravo.jp/archives/15372

「年齢を重ねたので、クラシック全幕を踊ることはもうほとんどないと思いますが、
教える立場でダンサーに接しているときは、僕も踊っている気持ちになれます。
身体を保つのも大変だし、痛みもありますが、小さな役でも舞台に出ることは喜びです。
僕は身体の痛みですぐに舞台をキャンセルしたりはしなかった。
痛みと共生してきたからこそ、僕は強くいられたのです。
20年前の身体があれば、あの時のように踊れるかもしれないけれど、
戻りたいとは思いません」


使う言葉は同じじゃなくても、ルジマトフだってこういう似たような気持ちで
頑張っているんじゃないか?
体を動かす仕事を長く続けてる人たち(サッカーのカズとか)は、
みんなこんなふうなのかもしれない。


マラーホフが大事なことをタイミングよく教えてくれた。
泣けた。


ルジマトフの踊りは、ダンサーにも観客にも「私も頑張ろう」と思わせる。
感化させる力がすごい。


IMG_8931.jpg

東京文化会館 大ホール  1F4列 14000円


光藍社

ミハイロフスキー劇場バレエ










posted by よしこ at 00:00 | Comment(2) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月22日

白​鳥​の​湖​〜『パリ・オペラ座へようこそ』ライブビューイング2013〜2014

カール・パケットが!

アニエス・ルテステュは、白と黒の2種類の白鳥を見事に
演じ分けていた。
美しくて悪いブラックスワンって魅力的ね。

ジョゼ・マルティネズは、バレエは上手くても華が足りない。
でもヘタレ感がとても出てて良い。

今回の主役は、カール・パケットだった。
クールでかっこい〜。衣装も豪華なので、ますます引き立つ。
なのに、踊りはスケールが大きくなくて、そのあと息切れ?していたぞ。
有数のバレエダンサーだけど、俳優向きなのでは?なんて思ってしまった。

舞台そのものを観るよりも、このライブビューイングのほうが
物語を深く楽しめたし、意味も良く理解できた。
テーマを伝えるのに、今どきの物語は枝葉が多すぎるけど
古典はシンプルでいて深い。

http://www.opera-yokoso.com/program/index.html#p05





posted by よしこ at 00:00 | Comment(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする